专利摘要:
本発明は、原価効率が良くかつ容易に入手可能な出発原料及び化学薬品或いは修飾ポリエチレングリコールから保護基−アミノオキシPEG−6リンカーを得るための新規合成法を提供する。さらに詳しくは、前記リンカーをペプチド系フラグメントのようなベクターに結合することができるように、修飾されたBoc保護アミノオキシPEG−6リンカーを得るための新規な合成法が達成された。なし
公开号:JP2011513312A
申请号:JP2010548784
申请日:2009-02-10
公开日:2011-04-28
发明作者:エンゲル,トーグリム
申请人:ジーイー・ヘルスケア・リミテッド;
IPC主号:C07C269-06
专利说明:

[0001] 本発明は、原価効率が良くかつ容易に入手可能な出発原料及び化学薬品或いは修飾されたポリエチレングリコールからアミノオキシPEG化リンカーを得るための新規合成法を提供する。さらに詳しくは、前記リンカーをペプチド系フラグメントのようなベクターに結合することができるように、修飾されたBoc保護アミノオキシPEG−6リンカーを得るための新規な合成法が達成された。]
背景技術

[0002] 固体マトリックス上における生体分子(例えば、ペプチド又はオリゴヌクレオチド)及び他の有機化合物の製造は、リンカーとして知られる二官能性スペーサー分子を用いて一層容易に実施される。リンカーの2つの反応性官能基の一方は適宜に官能化された樹脂に永久的に結合されるのに対し、成長する分子はリンカーの他方の反応位置に一時的に結合される。]
[0003] 大部分のリンカーは支持体からの最終分子の分離のためにアシドリシスに頼っているものの、最終切断のために他の機構(例えば、光分解、フルオリドリシス(fluoridolysis)及び塩基を触媒とするβ離脱)の使用も利用されてきた。]
[0004] さらに、特定の細胞タイプと選択的に相互作用する生物学的活性分子は標的組織への放射能の送達のために有用である。例えば、放射性標識ペプチドは診断イメージング及び放射線療法のために放射性核種を腫瘍、梗塞巣部及び感染組織に送達するための大きな潜在的可能性を有している。約110分の半減期を有する18Fは、多くのレセプターイメージング調査のために最適な陽電子放出核種である。したがって、18F標識された生物活性ペプチドは、多種多様の疾患を定量的に検出して特性決定するためにPETで利用できるので大きな臨床的可能性を有している。]
[0005] 新しい血管は、脈管形成(vasculogenesis)及び血管新生(angiogenesis)という2つの異なる機構によって形成されることがある。血管新生は、既存の血管からの枝分れによる新血管の形成である。このような過程をもたらす主な刺激は、組織中の細胞への栄養素及び酸素の不十分な供給(低酸素症)であり得る。細胞は数多くの血管新生促進因子を分泌することで応答し得るが、しばしば言及されるその一例は血管内皮増殖因子(VEGF)である。これらの因子は、基底膜のタンパク質を分解するタンパク分解酵素並びにこれらの潜在的に有害な酵素の作用を制限する阻害物質の分泌を開始させる。血管新生促進因子の他の顕著な効果は、内皮細胞の移動及び分裂を引き起こすことである。管腔の反対側で血管の周囲に連続シートを形成している、基底膜に付着した内皮細胞は、有糸分裂を起こさない。付着の喪失及び血管新生促進因子に対するレセプターからの信号の総合効果により、内皮細胞の移動、増殖及び再配列が起こり、最終的に新血管の周囲に基底膜が合成される。]
[0006] 血管新生は、創傷治癒および炎症の過程をはじめとする、組織の増殖及び再構築に際して顕著である。腫瘍がミリメートルサイズに達したとき、その増殖速度を維持するために血管新生を開始しなければならない。血管新生には、内皮細胞及びその環境の特性変化を伴う。これらの細胞の表面は移動の準備のために再構築され、基底膜が分解されたところには、タンパク質分解の実行及び制御に関与する各種のタンパク質に加えて隠れた構造が暴露される。腫瘍の場合、生じた血管ネットワークは通常は組織化されておらず、急激なねじれ及び動静脈シャントを形成している。血管新生の阻止はまた、抗腫瘍療法のための有望な戦略であると考えられている。血管新生を伴う変態はまた、悪性疾患を一例とする疾患の診断にも非常に有望である。この着想はまた、炎症及びアテローム性動脈硬化症(初期アテローム性動脈硬化症病巣のマクロファージは血管新生促進因子の潜在的な源である)を含む種々の炎症関連疾患においても大きな有望性を示す。]
[0007] 細胞接着に関与する多くのリガンドは、アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)のトリペプチド配列を含んでいる。RGD配列は、この配列を有するリガンドと細胞表面上のレセプターとの間の一次認識部位として作用するように思われる。一般に、リガンドとレセプターとの二次相互作用が相互作用の特異性を高めると考えられる。これらの二次相互作用は、リガンド及びレセプターのうちでRGD配列にすぐ隣接した部分の間又はRGD配列から遠く離れた部位で起こり得る。]
[0008] したがって、インビボで血管新生に関連するインテグリンレセプターの効率的な標的化及びイメージングは、化学的に頑強で安定な、選択的で高親和性のRGD系ベクターを要求する。その上、バックグラウンドの問題を低減させるため、イメージング剤を設計するときには排出経路が重要な因子となる。]
[0009] 国際公開第06/030291号は、血管新生に関連するレセプターに結合する標的化ベクターとしてのペプチド系化合物の使用に関する。さらに、国際公開第2006/030291号は、迅速に製造できる、診断イメージングのために有用なペプチド系化合物を記載している。本発明は、修飾されたBoc(−COOCH(CH3)3)保護アミノオキシPEG−6リンカーを得るための新規な合成法を記載する。次いで、このPEG−6リンカーをペプチド系フラグメントに結合することでBoc保護アミノオキシペプチド系化合物を生成できる。その後、Boc保護アミノオキシペプチド系化合物を合成することで、血管新生で使用できる放射性標識ペプチド系化合物が得られる。]
[0010] 本明細書中における参考文献の考察又は引用は、かかる参考文献が本発明に対する先行技術であることを容認するものと解すべきでない。]
先行技術

[0011] 国際公開第2006/030291号パンフレット]
[0012] 本発明は、リンカーの一端に結合した様々な保護基(例えば、修飾されたBoc(−COOCH(CH3)3)保護アミノオキシ基)を有するPEG−6リンカーの効率的な製造方法における、原価効率が良くかつ容易に入手可能な出発原料及び化学薬品に関する。本発明はまた、修飾されたポリエチレングリコールを合成することでPEG−6リンカーを得るための新規な合成法にも関する。]
[0013] 本明細書中で使用される「修飾された」という用語は、分子をペプチド系フラグメントに結合することを可能にする官能基で分子が修飾されていることを意味する。]
[0014] 様々な保護基(例えば、修飾されたBoc保護アミノオキシ基)が結合されたPEG−6リンカーを得るための特許請求される新規な方法において中間体を同定するためには、核磁気共鳴分光法(NMR)、質量分光法(MS)及びHPLC−MS(高速液体クロマトグラフィー(HPLC)とMSとの併用)が使用された。]
[0015] 本発明の合成段階はすべて、原価効率が良くかつ容易に入手可能な出発原料及び化学薬品を用いて実施された。後述の保護基のいずれか(例えば、修飾されたBoc保護アミノオキシ基)が結合されたPEG−6リンカーを得るための本方法を使用することの重要な利点は、反応段階で同定される構造を組み合わせて使用した場合、そのいずれもが不安定でないことである。反応段階で同定される構造のすべてが容易に再現可能である。]
[0016] 構造の詳細な説明
表1は、リンカー及びリンカーを製造するための中間体並びに出発原料の主要な選択された構造及び構造名を示している。
れた構造及び構造名を示している。]
図面の簡単な説明

[0017] リンカー及びリンカーを製造するための中間体並びに出発原料の主要な選択された構造及び構造名を示す表1を示す図表。
リンカー及びリンカーを製造するための中間体並びに出発原料の主要な選択された構造及び構造名を示す表1を示す図表。]
[0018] 血管新生用の放射性標識生成物を製造する際には、放射性標識ペプチド系化合物を得るための合成法における重要な構成単位は、信頼可能で効率的なリンカーを同定することである。本発明では、PEG−6リンカー用の商業的に入手可能な試薬は存在しないものの、原価効率が良くかつ商業的に入手可能な試薬からの短くて簡便な合成法が本明細書中に開示される。]
[0019] 特許請求されるPEG−6リンカーを得るために特許請求される合成法を使用することには利点がある。1つの利点は、特許請求される合成法がPEG−6成分を得るための急速なプロセスであることである。もう1つの利点は、試薬が広く商業的に入手可能でありかつ原価効率の良い化学薬品である簡便な合成法が使用されることである。さらに詳しくは、本明細書中に開示されるリンカーA又は1を大規模生産のために使用する場合、それぞれ化合物B又は2のような出発化合物を使用することはコストの観点から見て有利である。例えば、リンカーA又は1を製造するための反応を開始する場合、開示される化合物E又は5から出発することはないであろう。この化合物は非常に高価であると共に、単離するのがはるかに困難だからである。本明細書中に記載されるように化合物B又は2を出発化合物として使用することは、特に大規模生産でははるかに原価効率が良いであろう。]
[0020] 本発明はまた、修飾されたポリエチレングリコールを合成することでPEG−6リンカーを得るための新規な合成法にも関する。]
[0021] 特許請求されるPEG−6リンカーを得るために修飾されたポリエチレングリコールを合成することにはいくつかの利点がある。]
[0022] 1つの利点は、特許請求される合成法がPEG−6成分を得るための短くて速いプロセスであることである。本発明で使用される簡便な合成法は1日で実施でき、PEG−6成分を2週間以下で製造することを可能にする。]
[0023] 本明細書中で定義されるPEG−6とは、6つの個別エチレングリコールの鎖からなるPEG(ポリエチレングリコール)である。]
[0024] 前述の通り、本発明で得られる修飾されたBoc保護アミノオキシPEG−6リンカー(式(I))はベクターに結合できる。詳しくは、そのベクターはBoc保護アミノオキシペプチド系化合物(式(III))を構成するペプチド系フラグメント(式(II))であり得る。その後、Boc保護アミノオキシペプチド系化合物を合成することで、血管新生で使用できる放射性標識ペプチド系化合物(例えば、式(IV)に示すような18F−ペプチド系化合物)が得られる。]
[0025] ]
[0026] 本明細書中で使用される「リンカー」という用語は、ベクター及びレポーターのような2以上の他の成分をひとつに結合する成分を意味する。異なる親油性及び/又は電荷を有するリンカー基の使用は、診断上のニーズに合わせてペプチドのインビボ薬物動態学を大幅に変更することができる。生分解性リンカー及び生体高分子をはじめとして、多種多様のリンカーが使用できる。リンカーは、最も簡単にはベクターとアミノオキシ基との間の化学結合である。さらに一般的には、リンカーは単分子又は多分子の骨格(例えば、線状、環状又は枝分れした骨格)を与える。リンカーはさらに、ベクターをレポーターから遠ざけるという役割を有することもできる。本明細書中に記載されるリンカーは、特にデキストラン及び好ましくはポリ(エチレングリコール)(PEGという)のような高分子構造を含んでいる。PEG部分を含むリンカーは、ある種の状況下で望ましいように、血中クリアランスを遅くすることが判明している。かかるリンカーは、グルタル酸及び/又はコハク酸及び/又はポリエチレングリコール系成分から導くことができる。]
[0027] アジ化物(即ち、式N3-を有する陰イオン)を使用せずに式(1)を製造する場合について記載した合成プロトコルに従えば、様々な長さのPEG中心部分、一方の側に位置する保護アミノオキシ酢酸、及びPEG部分の多端にアミドとして連結されたスペーサーを有するすべての分子を合成できる。]
[0028] さらに、下記に記載される合成プロトコルは、様々な長さ(即ち、直列に結合されたエチレングリコールの数)のPEG部分の形成を可能にする。]
[0029] ベクターは、本明細書中では、レセプター分子に対して親和性を有する化合物又は成分のフラグメント、好ましくはペプチド化学種、さらに好ましくはRGDペプチドのような血管新生標的化化学種として定義される。本発明で使用されるベクターの具体例は、Arg−Gly−Aspペプチド又はその類似体である。本発明で使用されるこのようなベクターの一例は、下記のフラグメントを含んでいる。]
[0030] ]
[0031] 本発明の一実施形態は、リンカーの製造方法に関する。さらに詳しくは、Bocのような保護基(「PG」)で保護されたアミノオキシリンカー(式(A))を下記の方法に従って製造できる。]
[0032] ]
[0033] 式中、Rは下記構造の1つを表し、]
[0034] ]
[0035] PGは下記式のカルバメートであるか、]
[0036] ]
[0037] (式中、R1はアルキル又はアリールであり、さらに好ましくはR1=9−フルオレニルメチルであって、これはPGが9−フルオレニルメトキシカルボニルであることを意味し、最も好ましくはR1=tert−ブチルであって、これはPGがBoc、即ちt−ブトキシカルボニル(−COOCH(CH3))であることを意味する。)
或いはPGは下記式の基を表し、]
[0038] ]
[0039] (式中、R2はアルキル又はアリールであり、さらに好ましくはR2=Hであって、これはPGがホルミルであることを意味し、最も好ましくはR2=フェニルであって、これはPGがベンゾイルであることを意味する。)
或いはさらにPGはアルキル又はアリール、さらに好ましくはアリル、最も好ましくはベンジルであってもよく、
nは1〜19を表す。]
[0040] ここで、主要な中間体が本方法のD〜E及びH〜Iであることに注意するのが重要である。「主要な」という用語は、本明細書中では前記リンカーを製造するために決定的かつ必要であるとして定義される。]
[0041] 中間体B及びGから始めて1キログラムのリンカーAを製造するためのプロセス時間は、約1〜約5週間の範囲内にあり得る。さらに、中間体F及びJを互いに並行して製造すれば、1キログラムのリンカーAを製造するための総合成時間は3〜4週間になる。最後の段階、即ちFとJとのカップリング及びそれに続くHPLC(高速液体クロマトグラフィー)による精製は、完了するのに1週間以上はかからない。本明細書中に開示される新規な合成法は、他の代替合成段階に比べて時間が短いばかりでなく、ユーザーにとってはるかに商業的実行可能性の高いものでもある。]
[0042] 本発明の別の実施形態は、下記の反応を含んでなる式(1)のリンカーの製造方法に関する。]
[0043] ]
[0044] 式中、式(1)のリンカーはBoc保護アミノオキシリンカーであり、6と10とを化合させる塩基はリチウムジイソプロピルアミンである。]
[0045] 本発明のさらに別の実施形態は、ペプチドフラグメント(下記の化合物(II))のようなベクターが式(A)のリンカーと結合して下記の化合物(III)を生成し、]
[0046] ]
[0047] ]
[0048] その後に化合物(III)が4−18F−フルオロベンゼンと反応して下記の化合物(IV)を生成する方法を提供する。]
[0049] ]
[0050] 本発明のさらに別の実施形態は、ペプチドフラグメント(下記の化合物(II))のようなベクターが式(1)のリンカーと結合して下記の化合物(IIIa)を生成し、]
[0051] ]
[0052] ]
[0053] その後に化合物(IIIa)が4−18F−フルオロベンゼンと反応して下記の化合物(IV)を生成する方法を提供する。]
[0054] ]
[0055] 本発明のさらに別の実施形態は、下記の反応から式(A)を得るための方法を示す。]
[0056] ]
[0057] ここでは、1,11−ジヒドロキシ−3,6,8−トリオキサ−ウンデカン(B)と反応させるためにp−トルエンスルホニルクロリドを使用する。これら2種の化合物を約15〜約27℃の範囲内の温度で約6〜約15時間混合して11−O−トシル−3,6,9−トリオキサ−1−ヒドロキシ−ウンデカン(C)を生成する。この場合、好ましい温度は約22℃であり、好ましい時間は約8時間である。]
[0058] 式(A)を得るための上記反応に係る本発明の別の実施形態では、11−O−トシル−3,6,9−トリオキサ−1−ヒドロキシ−ウンデカン(C)をジメチルホルムアミドに溶解し、(C)中にフタルイミドカリウムを入れて約70〜約100℃の温度範囲で約6〜約15時間撹拌してN−(3,6,9−トリオキサ−11−ヒドロキシ−ウンデカン)−フタルイミド(D)を生成する。]
[0059] 式(A)を得るための上記反応に係る本発明のさらに別の実施形態では、(D)を約30〜約70℃の温度範囲でテトラヒドロフランに溶解して(D)の精製を達成する。]
[0060] 式(A)を得るための上記反応に係る本発明のさらに別の実施形態では、約80〜約120ミリグラムの化合物(D)をメタノールに溶解し、ヒドラジン一水和物を化合物(D)に添加し、次いで化合物(D)を約30〜約80℃に約1〜約5時間加熱し、次いで混合物を室温に冷却して約6〜約15時間撹拌することで11−アミノ−3,6,9−トリオキサ−ヒドロキシ−ウンデカン(E)を生成する。]
[0061] 式(A)を得るための上記反応に係る本発明の別の実施形態では、(E)を約1.0モルのジクロロメタン、1.0モルのジメチルホルムアミド及び1.5モルの無水ジグリコール酸と混合し、混合物を約30〜約50℃の温度範囲に約1〜約3時間加熱する。]
[0062] 式(A)を得るための上記反応に係る本発明のさらに別の実施形態では、化合物(E)のpHを約1モルのNaOH(水溶液)で約9〜約15に調整することで17−ヒドロキシ−3,9,12,15−テトラオキサ−6−アザ−5−オキソ−ヘプタデカン酸(F)を生成する。]
[0063] 式(A)を得るための上記反応に係る本発明のさらに別の実施形態では、(PG−アミノオキシ)酢酸(G)を無水酢酸に溶解し、混合物を約40〜約70℃の範囲内の温度に約48〜約72時間加熱することで(PG−アミノオキシ)無水酢酸(H)を生成する。]
[0064] 式(A)を得るための上記反応に係る本発明のさらに別の実施形態では、式(H)をテトラヒドロフラン及び2−(2−アミノエチル)エタノールに溶解し、混合物を室温で約2〜4日間撹拌する。]
[0065] 式(A)を得るための上記反応に係る本発明の別の実施形態では、式(H)を水と混合し、NaOH(水溶液)でpHを約9〜12に調整し、次いで前記混合物を約6〜約15時間撹拌することで5−N−(PG−アミノオキシ−アセトアミド)−3−オキサ−1−ヒドロキシペンタン(I)を生成する。]
[0066] 式(A)を得るための上記反応に係る本発明のさらに別の実施形態では、式(F)及び式(J)を塩基リチウムジイソプロピルアミンによって化合させる。]
[0067] 以下の実施例で本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例は決して本発明の技術的範囲を限定するものでない。]
[0068] 本発明は、以下の略語を使用する実施例によって例示される。
p:パラ
o:オルト
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
MS:質量分析法
LC−MS:液体クロマトグラフィー/質量分析法
TEG:テトラエチレングリコール
DMF:ジメチルホルムアミド
1H−NMR:プロトン核磁気共鳴
THF:テトラヒドロフラン
DMA:ジメチルアセトアミド
hr(s):時間
min(s):分
mg:ミリグラム
Boc:−COOCH(CH3)3
RT:室温
C:摂氏温度
M+H+:本明細書中では、分子とプロトンとの付加物として質量分析法で検出されるイオンの質量として定義される。
M+Na+:本明細書中では、分子とナトリウムイオンとの付加物として質量分析法で検出されるイオンの質量として定義される。
UV:紫外
Boc保護アミノオキシリンカーの合成のための合成経路
Boc保護アミノオキシリンカーの合成のための合成経路を下記図1に示す。中間体の同定のために使用された主な分析ツールは、MS及びLC−MSであった。] 図1
[0069] すべての合成段階は、比較的安価で容易に入手できる出発原料及び化学薬品を用いて実施した。これらの段階は確立された有機合成方法を用いて実施した。いずれの段階も、経費のかかるもの又は非効率なものとは確認できない。]
[0070] ]
[0071] Boc保護アミノオキシリンカーの合成のための各プロセス段階の実験データ
i.11−O−トシル−3,6,9−トリオキサ−1−ヒドロキシ−ウンデカン(3)]
[0072] ]
[0073] p−トルエンスルホニルクロリドの予備調製溶液を、トリエチルアミン及び1,11−ジヒドロキシ−3,6,9−トリオキサ−ウンデカン(TEG)(2)のクロロホルム溶液に60分かけて滴下した。反応混合物を周囲温度(20〜23℃)で一晩撹拌した。その後、反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させた。残留物をまずヘキサンと混合して振盪し、次いで酢酸エチル/ヘキサン(1:1)と混合して振盪し、最後に残留物を酢酸エチル中に懸濁することで生成物を残留物から抽出した。懸濁液を濾過し、生成物を濾液中に集めた。濾液を減圧下で蒸発させ、残留物をMSで分析した。]
[0074] MSにより、未反応のモノトシル化(M+H+ 349.14)及びジトシル化(M+H+ 503.15)の混合物が確認された。]
[0075] ii.N−(3,6,9−トリオキサ−11−ヒドロキシ−ウンデカン)−フタルイミド(4)]
[0076] ]
[0077] 第1段階からのトシル化TEG(3)をDMFに溶解し、フタルイミドカリウムを添加した。反応混合物を80℃で一晩撹拌した。翌朝、温度を2時間にわたって90℃に上昇させた。室温に冷却した後、混合物を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させた。残留物をメタノールと混合し、濾過し、濾液を減圧下で蒸発させた。この手順を、ジエチルエーテルを用いて繰り返した。]
[0078] iii.N−(3,6,9−トリオキサ−11−ヒドロキシ−ウンデカン)−フタルイミド(4)の精製
ビス−N−フタルイミドを含む粗N−(3,6,9−トリオキサ−11−ヒドロキシ−ウンデカン)−フタルイミドを、できるだけ少量のTHFに溶解した。THF溶液を40〜60℃の水に滴下した。ビスアミドが水から沈殿し、冷却後にこれを濾過によって除去した。濾液を減圧下で蒸発させ、ジエチルエーテルを残留物に添加し、生成物を固体残留物からジエチルエーテル中に抽出した。エーテルをデカントし、この手順を1回繰り返した。残留物を水と混合し、1×ジエチルエーテル及び2×酢酸エチルで抽出した。合わせた酢酸エチル相を減圧下で蒸発させた。エーテル相を合わせ、デカントし、蒸発させた。残留物を酢酸エチルに溶解し、溶液をエグジラレート(exhilarate)抽出から単離された生成物に添加した。この第2の酢酸エチル溶液を減圧下で蒸発させた。生成物4の構造を1H−NMRによって確認した。生成物4:ビスイミド:TEGの比は86:2:12であった(NMR)。]
[0079] iv.11−アミノ−3,6,9−トリオキサ−ヒドロキシ−ウンデカン]
[0080] ]
[0081] 100mgの化合物4をメタノールに溶解し、ヒドラジン一水和物を添加した。混合物を50℃に3時間加熱し、室温に冷却し、室温で一晩撹拌した。]
[0082] MSにより、所望の生成物(M+H+ 194.1)が確認された。]
[0083] v.17−ヒドロキシ−3,9,12,15−テトラオキサ−6−アザ−5−オキソ−ヘプタデカン酸(6)]
[0084] ]
[0085] アミン5をジクロロメタン及び助溶媒としての若干のDMFと混合した。1.5モル当量の無水ジグリコール酸を添加し、混合物を40℃に2時間加熱した。室温に冷却し、週末中撹拌した後、反応混合物を減圧下で蒸発させた。残留物を水と混合し、1N NaOH(水溶液)でpHを11〜12に調整することでエステルを加水分解した。溶液を一晩撹拌し、その後にHClでpH1〜2に酸性化し、減圧下で蒸発させた。]
[0086] 残留物のLC−MSは、予想される質量M+H+ 310.15及びM+Na+ 332.13を有する主ピークを示した。]
[0087] vi.(Boc−アミノオキシ)無水酢酸(8)]
[0088] ]
[0089] (Boc−アミノオキシ)酢酸(7)を無水酢酸に溶解し、週末中50〜60℃に加熱した。反応混合物のLC−MSは、混合無水物7a及び対称無水物8を含む数種の生成物を示した。]
[0090] 無水物7aは元来は標的化合物であったが、反応混合物中に8が発見された。これは次の段階にとって7aより良好な試薬である(上記参照)。7aによるN−アシル化は、2種の生成物、即ち所望生成物としてのN−(Boc−アミノオキシ)アセトアミド及び副生物としてのN−アセトアミドを生じることがあるからである。]
[0091] 化合物8の構造は、M+H+ 265.1及びM+H+ 165を有するLC−MS(M+H+ 365)フラグメントによって確認された。これらのフラグメントは、1つ及び2つのBoc基が失われたことを表している。]
[0092] vii.5−N−(Boc−アミノオキシ−アセトアミド)−3−オキサ−1−ヒドロキシペンタン(9)]
[0093] ]
[0094] 化合物8を含む混合物をTHFに溶解し、2−(2−アミノエチル)エタノールを添加した。反応混合物を室温で3日間撹拌した。反応混合物を水と混合し、NaOH(水溶液)でpHを10超に調整し、一晩撹拌した。反応混合物をTHF及びブラインに添加して抽出した。蒸発させたTHF相を次の段階で直接使用した。]
[0095] 生成物はLC−MSを用いて確認された。]
[0096] viii.5−N−(Boc−アミノオキシ−アセトアミド)−3−オキサ−1−(O−トシル)ペンタン(9)]
[0097] ]
[0098] 考察/結果
標的化合物であるBoc保護アミノオキシリンカーは、中間体6と中間体10とのカップリングによって製造されるはずである。これらの実験の結果は、化合物6(4つの合成段階)及び化合物10(3つの合成段階)が共に簡単な合成方法で製造できることを示している。化合物10は、いかなる形式の精製も行うことなしに3つの合成段階で製造された。提唱された方法を用いるエーテル生成は、上記の実験ixで確認された。]
[0099] かかる合成法における重量な段階は、化合物9の生成である。これを達成するためにはいくつかのアプローチが存在する。1つは化合物7の酸ハロゲン化物を製造することであるが、Boc基は例えば酸塩素化時に安定でない。他の1つの方法は、カップリング試薬を使用することである。カップリング試薬の使用に関する問題点は、生成物及び試薬の分子量が小さいことである。]
[0100] 化合物8の生成が一層良好な解決策であろうが、その生成は実験vi(上記参照)で立証されている。比較的純粋な化合物8が得られるようにこの合成法を調整することは、成功のかぎであると思われる。この段階の追跡は、ギ酸と酢酸との間においてインサイチュで生成される混合無水物を用いて行われる。アセチルに比べてホルミルの反応性が高ければ、7とホルミルとの間で混合無水物が生じるであろう。ホルミル基はアセチルほど安定でなく、もし7が存在すれば8の生成が好都合なはずである。無水物8は、混合無水物に比べて熱力学的に好ましい構造と見なされる。]
[0101] 特定の実施形態及び参考文献の引用
本発明は、本明細書中に記載された特定の実施形態によって技術的範囲が限定されるべきでない。実際、本明細書中に記載されたものに加えて、当業者には本発明の様々な実施形態が上述の記載及び添付の図面から明らかとなろう。かかる変更態様は添付の特許請求の範囲内に含まれるものとする。]
実施例

[0102] 様々な刊行物及び特許出願が本明細書中に引用されているが、その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。]
权利要求:

請求項1
下記の反応を含んでなる、下記式(A)のリンカーの製造方法。(式中、Rは下記構造の1つを表し、PGは下記式のカルバメートであるか、(式中、R1はアルキル又はアリールであり、さらに好ましくはR1=9−フルオレニルメチルであって、この場合にPGは9−フルオレニルメトキシカルボニルであり、最も好ましくはR1=tert−ブチルであって、この場合にPGはBoc、即ちt−ブトキシカルボニル(−COOCH(CH3))である。)或いはPGは下記式の基を表し、(式中、R2はアルキル又はアリールであり、さらに好ましくはR2=Hであって、この場合にPGはホルミルであり、最も好ましくはR2=フェニルであって、この場合にPGはベンゾイルである。)或いはさらにPGはアルキル又はアリール、さらに好ましくはアリル、最も好ましくはベンジルであってもよく、nは1〜19を表す。)
請求項2
下記の反応を含んでなる、下記式(1)のリンカーの製造方法。(式中、式(1)のリンカーはBoc保護アミノオキシリンカーである。)
請求項3
主要な中間体がD〜E及びH〜Iである、請求項1記載の方法。
請求項4
式(A)のリンカーが下記の化合物(II)と反応する、請求項1記載の方法。
請求項5
式(A)のリンカーが化合物(II)と結合して下記の化合物(III)を生成し、次いで化合物(III)が4−18F−フルオロベンゼンと反応して下記の化合物(IV)を生成する、請求項4記載の方法。
請求項6
式(1)のリンカーが下記の化合物(II)と反応する、請求項2記載の方法。
請求項7
式(1)のリンカーが化合物(II)と結合して下記の化合物(IIIa)を生成し、次いで化合物(IIIa)が4−18F−フルオロベンゼンと反応して下記の化合物(IV)を生成する、請求項6記載の方法。
請求項8
1,11−ジヒドロキシ−3,6,8−トリオキサ−ウンデカン(B)と反応させるためにp−トルエンスルホニルクロリドを使用し、これらを約15〜約27℃の範囲内の温度で約6〜約15時間混合して11−O−トシル−3,6,9−トリオキサ−1−ヒドロキシ−ウンデカン(C)を生成する、請求項1記載の方法。
請求項9
好ましい温度が約22℃であり、好ましい時間が約8時間である、請求項8記載の方法。
請求項10
11−O−トシル−3,6,9−トリオキサ−1−ヒドロキシ−ウンデカン(C)をジメチルホルムアミドに溶解し、(C)中にフタルイミドカリウムを入れて約70〜約100℃の温度範囲で約6〜約15時間撹拌してN−(3,6,9−トリオキサ−11−ヒドロキシ−ウンデカン)−フタルイミド(D)を生成する、請求項1記載の方法。
請求項11
(D)を約30〜約70℃の温度範囲でテトラヒドロフランに溶解して(D)の精製を達成する、請求項1記載の方法。
請求項12
約80〜約120ミリグラムの化合物(D)をメタノールに溶解し、ヒドラジン一水和物を化合物(D)に添加し、次いで化合物(D)を約30〜約80℃に約1〜約5時間加熱し、次いで室温に冷却して約6〜約15時間撹拌することで11−アミノ−3,6,9−トリオキサ−ヒドロキシ−ウンデカン(E)を生成する、請求項1記載の方法。
請求項13
(E)を約1.0モルのジクロロメタン、1.0モルのジメチルホルムアミド及び1.5モルの無水ジグリコール酸と混合し、約30〜約50℃の温度範囲に約1〜約3時間加熱する、請求項1記載の方法。
請求項14
化合物(E)を約1モルのNaOH(水溶液)で約9〜約15のpHに調整することで17−ヒドロキシ−3,9,12,15−テトラオキサ−6−アザ−5−オキソ−ヘプタデカン酸(F)を生成する、請求項13記載の方法。
請求項15
(PG−アミノオキシ)酢酸(G)を無水酢酸に溶解し、約40〜約70℃の範囲内の温度に約48〜約72時間加熱することで(PG−アミノオキシ)無水酢酸(H)を生成する、請求項1記載の方法。
請求項16
式(H)をテトラヒドロフラン及び2−(2−アミノエチル)エタノールに溶解し、室温で約2〜4日間撹拌する、請求項1記載の方法。
請求項17
次に、式(H)を水と混合し、NaOH(水溶液)でpHを約9〜12に調整し、約6〜約15時間撹拌することで5−N−(PG−アミノオキシ−アセトアミド)−3−オキサ−1−ヒドロキシペンタン(I)を生成する、請求項16記載の方法。
請求項18
式(F)及び式(J)を塩基リチウムジイソプロピルアミンによって化合させる、請求項1記載の方法。
請求項19
請求項1に記載された式(A)のリンカーの製造方法。
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CN102015632A|2011-04-13|
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